いなちくロングライドのコースである千種川沿いを走る県道53号線。

その道中に、世にも珍しい巨大な桜の木があるのをご存知でしょうか?

それは佐用町の観光名所としても名高い、「光福寺の大糸桜(大イトザクラ)」。

この大糸桜にまつわるお話を、そして光福寺の「播磨一本堂」という名前の由来について、住職さんにお話を伺ってきました。

光福寺

光福寺があるのは、いなちくロングライドのコースである県道53号線沿い。

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なぜか被ってしまっている(笑)道路標識の後ろの青い看板が目印です。

この看板手前を左に入り、緩やかな坂を登っていきます。

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400mほど登った先、右手に現れるのが光福寺です。

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この門の右側に見えるのが、春になると美しい桜を咲かせる樹齢約300年の大糸桜(大イトザクラ)です。

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大糸桜

春になるとその花を美しく咲かせる大糸桜。

樹齢300年を超えるこの桜は、昭和59年に兵庫県の県指定天然記念物に認定されました。

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県内外からその美しさを求めて多くの人が足を運ぶこの大糸桜ですが、300年もの間、ただ自然と咲き続けていたわけではありません。

そもそもこの光福寺の大糸桜は、イトザクラとしても非常に珍しい長寿かつ巨大なもの。その希少な命を守っていこうとする人々のたゆまぬ努力があり、この桜は今もその美しさを保っています。

中でも特に知っておきたいのは、昭和62年に行われた大規模な「手術」のこと。

当時、木の幹に寄生虫が湧いたり根が腐っていたりしていて元気を失っていた大糸桜。

そこで、日本で初めての樹医(樹木医)として知られる山野忠彦氏によって「診察」され、その後大阪の造園屋さんの手で大掛かりな「手術」が行われたそうです。

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その後も現在に至るまで定期的な「メンテナンス」が行われ、今はポンプを利用して与える水量を管理したりなど、しっかりしたケアの元、今もその美しさが保たれているのです。

ちなみに大糸桜は門をくぐって右手ですが、左にも立派な吉野桜が。

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春には大糸桜の白い花に対しこちらはピンクの花を咲かせ、左右で紅白の彩りを見せてくれます。

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見頃

肝心なこの桜の見ごろは、3月の下旬から4月の上旬にかけて。

住職さん曰く、姫路で桜が咲き始める頃にはこちらはもう満開だそうで、咲き具合の確認は「お気軽に電話してください」とのことです。

光福寺の電話番号→0790-77-0212

播磨一本堂の由来

この光福寺は別名「播磨一本堂」と呼ばれるのですが、この一本堂という名前が、この巨大な大糸桜に由来するものだと勘違いしている人も多いそう。(かくいう私もそうでした)

その本当の由来は、「欅(ケヤキ)の一本造り」と言われるその造築法にありました。

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光福寺の建立されたのは1566年(永禄9年)。
しかし、その75年後の1641年(寛永18年)に一度、焼失してしまいます。

その後1696年(元禄9年)、現・千種町の一部であった香呂村に、欅の巨木(寺の案内では奇木と書かれる)が発見され、その一本を用いてこの本堂が再建されたそう。

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ちなみに大糸桜は、この再建時に植えられたものだそうです。

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「一本の木で作られたなんて本当かよ!?」と思ってしまいますが、大工さんや建築家さんなど、見ればわかる人にはわかるらしく、世にも珍しいこの本堂を見学するために遠方から来られる方も多いとか。

ちなみにこの本堂から見える景色は、まさに日本の原風景。

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こちらの縁側(濡れ縁)に腰掛け、自然の声に耳を傾けながらほっと一息つくと、至福の時を感じることができます。

アクセス

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光福寺は県道52号線沿い、前回紹介した「あいす工房さなえ」のやや手前、佐用ICから11kmほどです。

所在地 〒679-5221佐用町漆野282番地
電話番号 0790-77-0212
入館料 無料
桜のみごろ 3月下旬~4月上旬
Webサイト http://www.geocities.jp/sakura_34567/kohukuji_sakura.html

サイクリストの中には、寺院巡りや建築がお好きな方も多いはず。

春の大糸桜もチェックすべきですが、それ以外の季節でも、ぜひこの珍しい建築を一目見に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
ちなみに下の車の駐車場に自転車の駐車もOKだそうです!

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